こんにちは。
台湾に移住してきて7年、台北在住の のびた です。
2023年2月、台湾 平渓で行われた平渓天燈節(ランタンフェスティバル)に参加してきました。
平渓天燈節は、台湾の平渓で毎年旧正月(中華文化圏のお正月)に行われる、ランタンを飛ばすお祭りです。
数多くのランタンが一斉に夜空に上がる幻想的な様子は、まさに息をのむ感動的な光景です。
打ち上げは毎年多くの人で混雑し、打ち上げに参加するためにはあらかじめ並んで整理券を入手しなければなりません。
今年は秘策を練って、狙い通りに整理券をゲット。
天燈打ち上げに参加することができ、感動しました。
ぜひ次回2024年の天燈節を体験してほしい、そんな想いで解説していきます。
この記事では
- 天燈節の由来と歴史
- 天燈節の幻想的な魅力
- ランタン上げだけじゃない天燈節の楽しみ方
- 天燈節へのアクセス方法・注意点
を詳しく解説していきます。
幻想的な天燈節に参加するために困らないように、この記事をぜひチェックしてみてください。
平渓ランタンフェスティバル(平渓天燈節)とは?
平渓ランタンフェスティバル(平渓天燈節)とは?
天燈節の由来
ランタンを夜空に飛ばすのは、狼煙や敵への幻惑として使われた中国三国時代からの伝統と言われています。
また中国南部福建省では、元宵節(旧暦正月15日)に五穀豊穣を願ってランタンを飛ばす風習があるとのこと。
そうした中国各地の歴史的伝統や風習が、台湾にも息づいているというわけです。
平渓ランタンフェスティバルの歴史
台湾では盗賊から山に逃れた村民へ、ランタンを上げて安全を知らせたこともあったとか。
そんな中、平渓のランタン上げは100年の歴史を持ち、1990年代からはイベントとして徐々に人が集まるように。
今では元宵節の一大イベントとして、台湾のみならず世界的に有名な行事となっています。
新北市平渓(ピンシー)ランタンフェスティバルは元宵節を祝うもので、台湾では南蜂炮と並んで有名な元宵節のイベントです。平渓ランタンには100年の歴史があり、毎年元宵節の前後には十数万人の人々が訪れます。数千ものランタンが夜空をゆっくりと上がっていき、それぞれの願いを天に届け、小さな赤い光が彩る空は見る人を魅了します。
このような空にランタンを放つイベントは十数年に渡って続けられてきたもので、2008年には旅行番組ディスカバリーチャンネルの「世界2大フェスティバル」に選ばれました。2013年にはアメリカCNNの「世界の参加する価値のあるイベント52選」、世界最大の旅行出版社Fodor’sの「世界の死ぬまでに参加すべき14大イベント」の一つに、また2016年にはナショナルジオグラフィックで「世界の冬に行くべき10大観光地」として紹介されるなど、幸せと希望に満ちたイベントは海を越えて、海外の人々にも愛されています。
新北市政府観光旅遊局 紹介ページ
ちなみに台湾では、都市で行われる「台湾ランタンフェスティバル」もあります。
こちらはカラフルで大きなランタンで彩られる、都市の大規模な光のイベント。
平渓での伝統的な「平渓天燈節(ランタンフェスティバル)」とは別のものなので注意が必要です。
平渓天燈節の魅力
平渓天燈節の魅力
ここからは、平渓天燈節の魅力を解説していきます。
一斉に打ち上げられるランタンの幻想的な美しさ
平渓天燈節では、一度に100組が会場に入って一斉にランタンを打ち上げます。
つまり100基ものランタンが、合図で一斉に上がるのです。
一斉に上がるランタンは、とても幻想的でした。
しかもその中に自分たちの願いを込めたランタンが混じって、空高く舞っていくのも感動的です。
ディズニー映画『塔の上のラプンツェル』のクライマックスに、何千ものランタンが上がるシーンがあります。
人々の願いを込めたランタンが音もなく一斉に上がる様は、まさにラプンツェルの世界。
映像や写真では伝えきれない、「幻想的な瞬間の中にいる感動」がその中にいることで味わえるはずです。
天燈に込められる願い
平渓天燈節の魅力のもう一つは、「人々の希望」です。
天燈節の歴史ですでに見た通り、天燈には打ち上げる人の願いが込められています。
五穀豊穣だけでなく、平和や健康、金運、個人的な願いなど、各人思い思いに天燈に願いを書き込みます。
天燈には人々の未来への希望が託されているのです。
その人々の希望が、一つになって遠く遠く空高くに飛んで行くのを見守る。
それは不思議な一体感のある、ピースフルな体験となるでしょう。
天燈節を楽しもう
天燈節を楽しもう
ランタン打ち上げ以外の楽しみ方
天燈節はランタン上げを楽しむだけのイベントではありません。
様々な楽しみ方があります。
その一つが、ランタンフェスティバル会場の雰囲気を楽しむことです。
天燈節が開催される平渓は、昔ながらの一角「平渓老街」があります。
天燈節の当日は、通り沿いに屋台やお店が多数出ていて、お祭りの雰囲気を作り出します。
多くの参加者と共に、食べ歩いたりお酒を飲んだりしてお祭りの雰囲気を楽しむことができます。
また、ランタン打ち上げ会場には特設のライブステージが設置されます。
打ち上げの合間には、ライブパフォーマンスや打ち上げる人へのインタビューなど、観客を飽きさせない工夫がされていました。
ただ打ち上げを見て終わりではなく、天燈節全体をイベントとして楽しむのがおすすめです。
ランタンを打ち上げる
天燈節の会場で様々なイベントを楽しんでいると、いよいよランタン打ち上げの時間になります。
ここではランタン打ち上げの流れを解説します。
整理券に記載された時間に集合場所に集合します。
打ち上げの回数ごとにまとまって動くので、前の回の打ち上げが終わるたびに段階的に進んでいきます。
体育館に入り、打ち上げの段取りの説明を受けます。
中国語・英語・日本語での説明がありました。
前の組が終わるといよいよ自分たちの打ち上げ。
打ち上げの場所に移動します。
各人にそれぞれちゃんと打ち上げの場所が割り当てられているので、安心です。
それぞれの場所に係員が1組1人付いて、ランタンのサポートやアドバイスなど、色々やってくれます。
打ち上げの場所に移動してから打ち上げまで、5~10分ほど時間があります。
ランタンが配られ、まずランタンにそれぞれ願い事を書きます。
その後、写真を撮ったり打ち上げの注意点を聞きながら、打ち上げの瞬間を待ちます。
ステージでは歌を歌ったり、参加者にどんな願い事を書いたかインタビューしたりしていました。
会場の照明が暗転し音楽も止まり、打ち上げの緊張感が高まります。
そして打ち上げ。
それぞれの願いを込めたランタンが、夜空に吸い込まれていく幻想的な光景が広がります。
打ち上げが終わったら、みんな一斉に会場出口に向かい、打ち上げは終了です!
平渓天燈節へのアクセス情報
天燈節へのアクセス情報
ここからは、平渓天燈節に参加するにはどうすればいいか?を詳しく解説していきます。
天燈上げ体験をするには?
まず天燈上げ体験をするために、押さえておきたいポイントがこちらです。
天燈上げ体験に参加するためのポイント
- 天燈上げに参加するには整理券が必要
- 整理券を確実にゲットすることを優先するなら、配布開始時間(10:30)には並ぶこと
- 配布時間から打ち上げまで時間が空くので、一旦帰って休むのがおすすめ
天燈上げ体験について10のポイント
- 天燈節の天燈上げイベントは、十分会場(元宵節当日)と平渓会場(元宵節の約1週間後)の2回行われる
- 会場の場所は十分が「十分天燈広場」、平渓が「平渓國中の校庭」で行われる
- それぞれ18時から20時までに数回、天燈の打ち上げがある
- 打ち上げに参加するためには整理券が必要
- 整理券は、打ち上げ当日にその日のすべての分を打ち上げ予定会場で配布する
- 打ち上げの1時間ほど前に、整理券を持って打ち上げ会場に集合する
- 当日は交通規制があって、自家用車は会場付近には入れない
- 打ち上げに参加せず見学だけなら整理券は必要なし
- 見学だけなら何回でも打ち上げを見ることができる
- ただ会場は混雑するので、いい場所で打ち上げを見るなら、場所取りする必要がある
各項目について詳しく説明していきます。
1. 毎年、天燈節は元宵節の当日と、その約1週間後の2回開催
- 今年(2023年)は、2/5と2/11の2日
- 元宵節それ自体も、旧暦なので毎年日付が異なる
- その年の開催日については、毎年公式ホームページで確認が必要
2. 2回の天燈節は、それぞれ会場の場所が異なるので注意が必要
十分会場の十分天燈広場
平渓会場の平渓國中
3. 各天燈節の天燈打ち上げのタイミングと各回の集合時間
4. 打ち上げのための整理券
5. 整理券の配布の様子
- 配布時間は午前10時30分から
- 列に並んだのが10時30分すぎ、整理券をゲットしたのが11時くらい (約30分待ち)
6. 打ち上げ前の集合場所
7. 当日の車両の交通規制
- 交通規制の実施は10:00~24:00
- 車(自家用車・タクシー含む)・バイクが規制対象
8. 打ち上げに参加せず、見学だけする場合は整理券は必要なし
近くで打ち上げを見る場合、打ち上げ場所の周りに設けられた「見学者用スペース」で見ることができます
9. 見学会場は一度場所を取ると、動かない限りずっとその場にいられます
逆に言うと、複数人で場所を確保しておく必要があります
10. 見学者用のスペースは、最前列から多くの三脚付きカメラが
右側が打ち上げ会場、左端に見学者用スペース
天燈上げに参加したい人におすすめの方法「平渓2往復作戦」
確実に整理券をゲットして天燈打ち上げを体験したい
でも整理券配布から打ち上げまでずっと平渓にいると朝から晩まで会場にいなければいけない…
家族(特に子供)の体力を温存して、天燈打ち上げを最大限に楽しみたい
この作戦は・・・
午前中に代表者が、列に並んで整理券をゲットする
無事整理券をゲットしたら、1回帰宅して休んでから、夕方再び天燈節会場へ向かう
この作戦を取ることで、最短で確実に整理券を入手し、なおかつ体力を温存して、天燈打ち上げに臨むことができます。
この作戦をおすすめする理由
- 整理券は1枚で4人まで参加できる
- 整理券をゲットするだけなら一人でOK
- 整理券配布から打ち上げまで8時間ほどあり、ずっと会場近くにいると、打ち上げの頃には疲れてしまう
- 車なら台北から平渓まで1時間弱で行ける
- 遅い打ち上げ回でよければ、整理券は午前中いっぱい残っている可能性が高い
- 打ち上げは早い回から埋まっていく
- つまり整理券配布を開始する頃に並べば、どこかの回の整理券はほぼゲットできる上、列に並ぶ時間も最小限に
と言うわけです。
天燈節への行き方は?
天燈節へのアクセスは、以下の4通りあり、シャトルバス利用がおすすめです。
- シャトルバス(天燈節専用バス「天燈専車」)
- 鉄道
- タクシー・自家用車
- ツアーを利用
それぞれの情報や特徴をまとめておきます。
シャトルバス「天燈専車」
- 「MRT動物園駅」「石碇」「瑞芳」起点の3路線
- 運行時間は当日午前9時から、最大で夜23時まで
- ピーク時は5分に1~2本の高頻度で出発
- シャトルバス乗り場では、「座り席用」の列と「立ち席用」の列に分かれて並ぶ
- つまり待てば確実に座って行ける
- 立ち席でいいから早く行きたい、という乗り方もOK
- 立ち席は山道で揺れて疲れやすいので注意
- 所要時間は30~50分(路線による)
鉄道
- 台湾鉄道(台鉄)は天燈節当日も通常通り運行
- 台北駅から乗り換え2回、所要約1時間半
- 座席指定ができないので、座れるかわからない
- 混雑の可能性あり
タクシー・自家用車
- 交通規制があり、打ち上げ会場近くまでは入れない
- 離れたところに駐車する場合、駐車スペース確保のため早めに行く必要がある
- 好きな時に、座っていける
- 天燈節からの帰りは、タクシーを捕まえるのは困難(交通規制のためタクシーが会場付近に入れない)
ツアーを利用する
- 天燈節で天燈打ち上げを体験する現地ツアーあり
- 整理券を取る必要がなく、交通手段も確保されている
- 座っていける
- ただしツアースケジュールがあるので、行き帰りの時間や現地での行動時間があらかじめ決められている
- ツアーの空きに限りがあり、前もって予約する必要がある
以上をふまえて、
天燈節の注意点・・・雨
ここからは天燈節での注意点を2点、説明していきます。
天燈節が行われる旧正月前後、台湾北部は雨が続き肌寒い日が多いです。
台北市で最も寒い日は気温10°cを下回るくらい。
晴れの日も多少ありますが、運が悪いと1週間続けて雨や曇りというのも珍しくありません。
ちなみに今年の天燈節は運良く雲ひとつない快晴で日中は暖かい日でした。
しかし天燈の打ち上げ方を説明してくれた現地スタッフによると、天燈節でこんなに晴れたのは10年ぶりとのこと。
基本的に天燈節は雨が降って寒い、という前提で心構えしておく必要があります。
天燈節における雨対策
- 天燈節が開かれる平渓は、山の中なので平地より寒い
- 平地の服装にさらにプラスして防寒具をもっていく意識で
- 寒い中で待機(シャトルバス待ち時、天燈打ち上げ時)を余儀なくされる
- 寒い中動けず体が温まらない
- 雨具、防寒具必携
- 気温10°c程度の寒さへの備えが必要
- 雨対策も大切
- 混雑下での待機なので、傘ではなくレインコート推奨
- カイロ、タオル、ダウンジャケット、手袋、レインコート必携
天燈節の注意点・・・混雑
山間の小さな村に多くの観光客という状況で個人的に思い起こすのは、九份の悪夢です。
私は台湾が誇る有名な観光地である「九份」に行ったことがあります。
九份もたくさんの観光客が山の中の小さな村に押し寄せ、交通手段が少なく街中の道が狭いこともあり、行き帰りの混雑が酷かった思い出があります。
平渓天燈節も同じなのではないか?と心配していました
混雑・交通の問題は、天燈節の主催者側にとって最優先課題として扱われているなと随所に感じました。
おかげでストレスはほとんどなし、むしろ感動するレベルでした。
感心したポイント
- 交通規制とシャトルバスの運行によって、周辺道路は渋滞なし
- シャトルバスは、立ち席と座り席に分けて並ぶことで座りたい人は必ず座れる
- 恐ろしい数のバス本数。1路線だけでも数十台、ヘタしたら100台程度のバスが投入されていた
- 実際にすれ違うバスを数えてみたら、60台以上走っていました(それ以上は数えるのを諦めた)
- ボランティアやバス会社、自治体のスタッフが十分に配置され、観客をしっかりコントロール
- 観客も列を作って整然と乗車、台湾でよくある「割り込み」がなかった
- 「ここからバス乗車まであと〜分」の看板、仮設トイレの設置など、観光客にしっかり配慮
- スタッフの温かさ
- 帰りのバスに乗る際に、現地案内スタッフが「来てくれてありがとう〜また来年」と笑顔
まとめ
平渓天燈節について、歴史から魅力、参加方法やアクセス方法について詳しく解説してきました。
まとめると
- 天燈節の由来
- 中国の伝統的風習の歴史的背景がある
- 五穀豊穣の祈りを込めた風習
- 天燈節の魅力
- 一斉に打ち上がるランタンが作る、幻想的雰囲気に感動
- 人々の願い事を込めた天燈の美しさを感じる
- 天燈節全体のお祭り的雰囲気を楽しむ
- 天燈節へのアクセス
- シャトルバス利用で混雑回避、疲労回避
- 確実に打ち上げ参加なら午前に並んで打ち上げ整理券をしっかりゲット
- 整理券を確実にゲットし、一旦帰って休むプランを推奨
- 天燈節の注意点
- 雨と寒さにはくれぐれも注意。防寒具と雨具は忘れずに
- 混雑は近年緩和。
「この記事を参考にしてぜひ次回2024年の天燈節を体験してほしい」そんな想いで解説してきました。
台湾が誇る冬のイベント「平渓天燈節」
打ち上げを体験すれば、その幻想的な魅力に引き込まれるはずです。
ぜひ2024年の天燈節に参加してみてください。
台湾旅行に関する記事に興味がある方は、こちらもおすすめです。
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