みなさんこんにちは、台北在住6年目、航空会社で働くのびたです。
みなさんは、旅行の準備で、
なんとなく荷造りが苦手。。。
とか、
旅行に持って行く荷物をうまく把握できない
荷物がなんとなく多くなってしまう
という悩みはありませんか?
また
せっかくの旅行だから忘れ物をして悪い思い出を作りたくない
とお考えの方も多いと思います。
そこで今回は旅行の荷物を減らす技術について書いていきます。
私は学生時代、登山部で山に登り、卒業後は航空会社に就職し15年ほど運航乗務員として働いています。
山登りは荷物の軽量化が体力の温存につながり、ひいては自分の命に関わります。
運航乗務員は乗務のため、月に5〜10泊ほどホテル泊します。
15年ほどやっていますので、少なくみてもすでに国内外に1000泊はしているでしょう。
荷物の削減・軽量化には人並み以上の経験・知恵があると自負しています。
今回はその経験から得た「旅行の荷物を減らす」コツを10個あげていきます。
もちろんその全てを実践する必要はありませんし、荷物が少なければいいという物でもありません。
もっとも大切なことは、あなたの旅行が素晴らしいものになることです。
無駄な荷物を減らせば、旅の移動が身軽になり、いざというときに素早く動けるため、安全性がアップします。
また移動が楽になり、荷造りの時間が減り、さらに荷物が少ないため忘れ物が減ります。
つまり、あなたの旅の安全と快適さと効率がグンとアップするわけです。
ぜひこの記事を読んで、無駄な荷物を減らして、次の旅行を素晴らしい旅にしてください。
それでは早速「荷物を減らす10の技術」を紹介していきましょう。
わかりやすいように「旅の準備以前」「準備段階」「旅行中」の各段階に分けて紹介していきます。
旅の準備の前に、編
技術① 小さいバッグを選ぶ
旅の荷物の削減でとても重要なのがバッグ選びです。
入れ物を決めれば、それに収まるような荷物しか持てません。
適度な小ささのバッグに合わせた荷物を考えることが、もっとも荷物削減に貢献します。
バッグの選び方はシンプルです。
空港からホテルまでの道のり、そしてホテルからホテルへの道のりを想像します。
空港バスやタクシーで一直線でしょうか?それとも石畳の街を歩く?または地下鉄を乗り継ぎ?
ホテルとホテルの間は、1日中観光でしょうか?それとも滞在型のリゾート?
その移動で、トロリーを転がしても問題なさそうなら、トロリーにします。
トロリーを転がすのが厳しいなと自分が感じる場合は、持つか背負うタイプのバッグにします。
サイズは機内持ち込みサイズです。
荷物削減のアイディアを実践すれば、何泊だろうと機内持ち込みサイズの荷物に収まるはずです。
機内持ち込みサイズなのは、メリットが非常に多いからです。
飛行機での旅行の場合、預けなくていいので到着後に荷物が出てくるのを待たずに、すぐに行動できます。
格安航空では、預け荷物に追加料金がかかる場合があります。
預ける荷物がなければ、無駄な出費も抑えられるでしょう。
また荷物を預けると、預けない荷物(つまり機内持ち込み手荷物)も発生します。
その分の余計な荷物(サブバッグやトートバッグなど)が余分に必要になります。
特殊な旅行の場合だけ、預け荷物サイズのトロリーにします。
ダイビングをするとか、小さい子供を連れて行くとか、そういう場合ですね。
なぜ荷物が多いときはトロリー一択なのでしょうか?
それは、荷物が多いとトロリー以外では移するのが厳しいからです。
どうせ大きい荷物なら、割り切って転がせるトロリーにしてしまいましょう。
その場合、荷物を削減するよりも、旅行の行程の方を工夫して、トロリーで行ける旅程にします。
旅行準備編
旅行の準備に入ります。
ちなみに荷物を減らせば、旅行の準備は常に30分で終わることができるようになります。
技術② お金で解決できることはお金をかける
お金をうまくかけることで、荷物は劇的に減ります。
そうは言ってもお金は無限ではありませんので、「お金のかけ方」が大切です。
私が考えるもっとも荷物削減に役立つお金のかけ方は、ホテルです。
具体的には、シティホテル・ビジネスホテルに泊まることです。
経験上、シングルで、日本は5000円以上、アジアは3000~5000円以上、アメリカ・ヨーロッパは8000~10000円以上のホテルを目安にしています。
なぜシティホテル、ビジネスホテルがいいのでしょうか?
それはフロントサービスと部屋のアメニティが、荷物削減に役立つからです。
ホテルに泊まることによって省ける荷物は、
- シャンプー/リンス/ボディソープ
- タオル
- 歯ブラシ*
- ドライヤー
- 傘・雨具
- 予備の下着、予備の上着
- コンセントアダプター
- 水筒や水
が挙げられます。
特に「傘」は意外と見落としがちな大きな利点です。
大抵のシティホテルでは、部屋かフロントに傘があり、宿泊者が頼めば貸してくれます。
ホテル滞在中は傘を借り、それ以外は道端のカフェに飛び込むか、タクシーを使います。
小さな傘を持っていく必要はありません。小さい傘は失くすし、壊れます。
また、ホテルには浴槽もしくはシンクがあり、シャンプーか石鹸があり、大きなタオルがあります。
これで簡単な洗濯ができます。
2-3着の下着くらいは簡単に洗え、タオルで脱水できます。
すぐに乾かしたければ、備え付けられているドライヤーまたはアイロンを使います。
私は下着はどんなに長い旅行でも4着以上は持っていかず、洗濯しています。
洗濯したくない人や、下着よりも大きいものを洗濯したい場合、ランドリーサービスを利用するのも手です。
世界的なホテルチェーンのホテル(マリオットやヒルトン、ハイアット)なら、通常ランドリーサービスがあります。
そのほかにもフロントに頼めば、コンセント変換アダプタも大抵は貸してくれます。
私は、世界中で使える小さい万能な変換アダプタを一つ持ち、忘れた場合やいくつも必要な場合はホテルで借ります。
*歯ブラシも大抵のシティホテルに備え付けられていますが、唯一アメリカのホテルには歯ブラシがないことが多いです。
そのため、どこへ行くにも一応(電動)歯ブラシを持っていっています。
技術③ 多機能化・小型化する
この項目では登山で得た荷物削減の技術を紹介します。
登山には実に多くの荷物削減のヒントが詰まっています。
その代表的なものは、防水と小型化です。
まず防水とは、ズバリ、ゴアテックス素材です。
ゴアテックスとは、雨粒は通さないけど湿気は通すという性質を持った布です。
ビニールなどの素材のレインコートって、非常に蒸れますよね。
ゴアテックスを使った雨具は、水滴は完全シャットアウトしてくれるのに、内側から湿気を逃がしてくれます。
ジャケットや靴にゴアテックスを使ったものにすると、完全防水仕様にできて、しかも雨の中でも快適です。
ゴアテックスのジャケットと靴があれば、レインコートや雨用の靴、傘を省略できます。
次の小型化で代表的なものは、ダウンジャケットです。
特におすすめなのが、天然ダウンです。
少し値は張りますが、天然ダウンだと保温性と圧縮性が人工ダウンに比べて圧倒的に優れています。
驚くほどコンパクトで、驚くほどあったかいです。
コートは荷物の中でも最大級にかさばります。
コートをダウンジャケットにすると、必要ない時はコンパクトに畳め、着たら非常に暖かくて軽いのでおすすめです。
防水のゴアテックス、小型の天然ダウン、どちらもそれなりの値段がするのがネックです。
そこでおすすめなのが、国産総合アウトドアメーカーの「モンベル」です。
「登山道具界のユニクロ」と言えるかもしれません。
デザインはそこそこに(笑)、品質と値段のバランスがダントツにいいです。
技術④ 手間と時間をかける
お金をかけたくない場合は、手間と時間をかけましょう。
前述した洗濯がいい例です。
部屋洗濯のやり方とポイントを挙げておきます。
下着2-3枚なら洗面台で十分です。
- 水またはお湯を張り、洗濯物に浸します。
- 水を入れ替えて、シャンプーまたは石鹸を水に溶かし、洗濯物を浸します。
- 4~5回、洗濯物を上から押さえつけ、石鹸水が洗濯物の繊維の中を通るようにします。押し洗いですね。
- 5分ほどつけ置きします。
- 4-5回、水を入れ替えながらすすぎます。洗濯物から泡が出てこなくなれば終了です。
- おにぎりを作るように、手で脱水します。雑巾のように絞ると繊維が痛むそうなので避けます。
- バスタオルを広げ、そこに洗濯物を並べて、巻き寿司のようにくるくる巻きます。
- 足で踏みつけて脱水します。体重をかけてタオルに水をうつすので、かなり脱水できます。
- 風通しのいいところに干して完了です。
綿の下着や靴下なら、乾燥しているところであれば半日、多湿のところでも1日で乾きます。
技術⑤ 兼用できるものを増やす
コート以外でもっともかさばるものに、靴があります。
歩きやすい靴、フォーマルな靴、サンダル・・・考え出したらきりがなくなります。
歩きやすい革靴にすると、フォーマルでも観光でも使えて、荷物の削減になります。
また次に述べますが、サンダルは現地調達しましょう。
現地の人が履く、現地に合ったサンダルが手に入りますし、必要なければ帰る前に捨ててしまってもいいでしょう。
技術⑥ 現地調達可能なものを増やす
旅行に必要なものを、全てバッグに詰めて出発しなければならないというわけではありません。
服やサンダルなど、身につけるものは現地で買うと、現地の風土に合ったものが手に入ります。
現地で調達すれば、自分がその土地に馴染んだように感じますし、自分へのお土産にもなります。
またユニクロの世界展開はすごいものがあります。
目的地にユニクロがあれば、下着や靴下、寒すぎた時の追加の防寒具など大抵のものは揃います。
服に関しては基本少なめに出発し、現地で調達するつもりで行けば、荷物は少なくできます。
セブンイレブンの世界展開もすごいです。
コンビニさえあれば、歯磨き・髭剃り・整髪料などが揃います。
ユニクロやセブンイレブンは安心感がありますが、一方で現地スーパーを覗いてみるものおすすめです。
その土地に生活する人はどんなものを使っているのか、食べているのか、何が流行っているのかが見えてきます。
面白いお土産が見つかったりもしますしね。
技術⑦ 電子化・オンライン化する
スマートフォンが普及する以前の旅は、本やメモなどの紙の荷物が結構な量になっていました。
かさばって重いわりに、現地調達が困難で、連絡先のメモやチケットは非常に大切だから削減しにくかったのです。
今はスマートフォンがあります。
ガイドブックは、kindleなどの電子書籍にするか、スマートフォンで必要なところだけ携帯写真でとっておきましょう。
地図や、予約したホテルの場所や連絡先、飛行機や鉄道・バスのチケットの控えなどは、メモアプリを使うと便利です。
私はevernoteを使っています。
目的地ごとにノートブックを作れて、検索したりタグをつけて管理できるので、非常にわかりやすいです。
同様にiphoneの「メモ」アプリも使い勝手がいいですね。
いざという時のために、パスポートや旅行保険の情報のスクリーンショット、大使館など緊急連絡先、クレジットカード会社の連絡先なども入れておくと安心です。
旅先では、wifiが使えるとは限らないので、あらかじめオフラインでも見れるようにしておくのがポイントです。
地図に関しては、google mapのオフライン機能があります。
あらかじめ携帯にダウンロードしておいて、ネットがなくても詳細な地図が使え、非常に便利です。
技術⑧ かさばるものを減らす
コートはもっともかさばる物の一つで悩みの種だということはすでに述べました。
コートに限らず、特に冬物の衣服はかさばります。
そこでおすすめするのが、ベースレイヤーを充実させることです。
これも登山、特に冬山登山からの知恵です。
ベースレイヤーとは、肌に一番近い衣服のことで、それを充実させることは服を1枚重ね着することと同じだと言われます。
具体的には、ユニクロのヒートテックのような薄くて肌に密着する服です。
ヒートテックでもいいですし、モモヒキ、腹巻でもいいでしょう。
また手先は寒さを感じやすく、頭からもっとも熱が逃げていくと言われています。
つまり、ヒートテックを着て手袋と帽子、マフラーをすれば分厚いコートを家において出発できるということです。
旅行中編
さて、ここまで入念に準備すれば、あとは出発するだけです。
旅行の出発から到着まで、荷物削減に役立つことはあるでしょうか??
技術⑨ 着る・身に着ける
着たり身につけたりすれば、その分手に持つ荷物は減ります。
また貴重品は体に近いところに身につけるほど、盗まれる心配が減ります。
スリや置き引きが狙うのは、まず目を離した手荷物、続いて目が届かない後ろポケットだからです。
首から下げるタイプの貴重品袋でもいいですが、毎回取り出すときに服をめくって取り出すのは変ですよね。
私は、ホテルまではパスポートは体に密着させる小型バックに入れ、現金は財布を持たずそのままポケットに入れています。
(パスポートはシティホテルに泊まれば、セキュリティボックスが部屋にあるのでそこに入れています)
技術⑩ お土産は物より記憶
旅も終盤です。
この段階で荷物を圧迫するのは、お土産です。
お土産は悩ましいですね。
私が気をつけている・気をつけたいと思っているお土産の選び方は、物よりも記憶・ストーリーです。
無駄に大きなお土産をもらっても相手は困ります。
お土産もコンパクトにすれば、自分も相手もウィンウィンです。
最も省スペースなお土産はあげないこと、すなわち「記憶」のお土産だと考えています。
旅の土産話、珍道中や失敗談、騙されそうになった話、どんな面白い人に出会ったか、素晴らしいレストランなどなど。
その話によって相手が楽しんでくれて、旅に行きたいなと思ってくれればそれは立派なお土産になっていると思いませんか?
ただ、まぁそうは言っても、そうも行かないのが現実です(笑)。
どうしても何か形あるものをお土産にあげたいと思うかもしれません。
そんな時は、「希少価値のある小さなもの」にしましょう。
例えばそこでしか手に入らないステッカー、地元の人だけが知っている美味しいクッキー、蚤の市で個人販売している手作りアクセサリ。
それこそ量や大きさではなく記憶やストーリーをもったお土産であり、喜んでもらえるのではないでしょうか?
まとめ
ここまで、旅行荷物削減に役立つ10の技術を見てきました。
役に立ちそうなアイディア、次の旅行で実践してみようという技術はありましたか?
ちなみに私が出会った旅人の中で最も荷物の少なかった人は、コンビニの袋ひとつで旅をしていました。
20年ほど前、東南アジアを旅していた時に出会った人です。
もちろんその人を無理に目指す必要はありません。
ただ、気候やその土地や自分の旅のスタイルに合わせたベストな荷物で、スマートに・軽やかに旅ができたらいいですよね。
それこそ「旅上手」という感じがします。
ここにあげた技術を使って、ぜひ旅上手への道を歩んでください。
それではみなさん、良い旅を!
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